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9月補正予算増額


平成28年1月3日(日)

本日は、以下に平成27年度9月補正予算で増加したの空港関係予算を紹介します。

平成27年度9月補正予算中の空港関連予算







事業名
補正予算額
(千円)
現予算額
(千円)
事業の概要
空港管理運営事業費(増額分)
44,500
678,300
富士山静岡空港株式会社への空港施設管理委託費
(増額理由:駐車場警備員5人増員、風よけフェンス設置、案内誘導員1人増)
航空保安関係事業費(増額分) 13,000 77,500 航空保安施設利用料の半額を航空会社に助成
(増額理由:補助対象便数の増加)
空港アクセス向上事業費(増額分) 12,400 132,400 空港アクセスのためのバスやタクシーへの助成(旧名称:空港アクセスバス運行事業費):助成対象には空港職員利用も含む
(増額理由:アクセスバスの増便、乗合タクシー利用見込増加修正)
小計(第4項 空港振興費) 69,900 888,200  
静岡型外国人向け地域資源活用ツーリズ
ム事業費(新規)
59,000 59,000 静岡空港周辺ショッピング施設へのミニツアーへの補助
武漢、南寧、長沙、鄭州からのメディア招聘視察ツアー費用
台湾でのセールスツアー費用、台湾旅行会社招聘視察ツアー費用など
富士山静岡空港新幹線新駅関連調査
事業費(増額分)
6,000 26,000 技術的検討の委託費、有識者による会議開催経費、チューリッヒ空港への県職員3名分の視察旅行費用
(増額理由:技術的検討のための委託費用の増加)
小計(その他) 65,000 85,000  
その他の当初予算分   2,684,175  
134,900 3,657,375  

1億3,490万円増額され、空港存続のための本年度予算は約37億円になりました。

このうち、今回新規で事業化されたのは「静岡型外国人向け地域資源活用ツーリズム事業」です。
これは、以下のとおり、訪日中国人観光客と訪日台湾人観光客をターゲットとして誘客推進しようとするものですが、問題は静岡空港利用者に偏りすぎた事業であるということです。
これまでにも指摘してきたように、本県に来る訪日外国人のうちの一部にしてわずかでしかない静岡空港利用者にターゲットを絞り予算投下するのは他県との競争上明らかに不利・不効率だからです。
選挙運動に例えるなら、過疎の田舎での活動に予算を集中し、その何十倍もの人口の都市部での活動をおろそかにしているようなものです。

なお、本事業の予算調書のPDF版はこちらhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/html/201601022214.pdfです。

また、増額された「富士山静岡空港新幹線新駅関連調査事業」ですが、県は以下のとおり来年度にJRと合意し、その翌年度には着工する見込みでいます。
しかし、リニア新幹線への協力への貸し借りや、わずか2,3週間のオリンピックへの貢献を口実にしたり、最後にはどのような不採算な公共事業も飾り立てられる魔法の言葉「防災に役立つ」を持ち出したりと必死にJRに同意を迫っているものの、今のところ民間企業であるJRを説得する材料は乏しい状況です。
そもそも、最寄りのJR六合駅の利用者にも満たないほどの空港に新幹線駅など、JRも株主への経営的な説明は不可能。
権力志向が高まっている知事のことですから、上からの政治的ごり押しに加えJR損失分の税金負担までをも考えているのでしょうが、そうなるともはや県民利益のためというより権力欲の境地でしかありません。
県民不在は極まりつつあるといわざるを得ません。

なお、本事業の予算調書のPDF版はこちらhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/html/201601022839.pdfです。