4 空港隣接地域賑わい空間創生事業費
平成27年3月26日(木)
本日は、以下に平成27年度予算の「空港隣接地域賑わい空間創生事業費」(旧名称「空港隣接地域振興事業費」)を紹介します。
この予算は、空港隣接の3市町に対しての特別な補助金です。
特別というのは、騒音を発生させるいわば迷惑施設の空港誘致に協力した地元に対してのみ、県が特別な予算質として補助金を交付するからです。
わかりやすく例えれば、原発誘致に対して国から特別な交付税等が交付されるのと同じ仕組みと言って良いでしょう。
問題は、この補助金が5年間という期限付きで本年度で終了であったのが、来年度以降も継続されることとなったことです。
しかも、今度の期間は今までの2倍の10年間です。
さらに、金額も、昨年度予算2億6300万円から大幅にアップし、来年度は6億1600万円もの予算がつきました。
なぜ、延長されたのでしょう。
これは、今日の新聞紙上で報じられた空港運用時間の2時間延長と関わりがあります。
「延長するなら金をくれ」ということです。
県議会文化観光委員会内で「地元としてはこういう音だけもらうのか、地元対策という意味での振興策は何かないか」との地元意見が紹介されたことがこれを端的に物語っています。
地元の要望で造ったはずの空港なのに、いつの間にか迷惑施設として金のなる木に化けてしまったようです。
県はこの事業の必要性について、以下のとおり説明しています。
何のためと言うよりも、地元からの補助延長要望を受けて、空港周辺の賑わい創出やまちづくりなど何にでも使える補助を継続したいという、ただそれだけのために6億円もの補助を行うのです。
冒頭の個別事業を見ても、農業振興や小学校の体育館の耐震補強など空港とは関係ないようなものが多く目につきます。
もちろん地元にとっては良い制度なのでしょう。原発の地元と同じように。
しかし、これは個人に例えれば自分さえ良ければよしという態度と同じです。
県民全体のことなど眼中にないかのようです。
また、空港の運用時間の延長ですが、費用対効果に疑問があります。
運用時間が延長されれば当然人件費などの運用経費は膨らみます。
さらに、夜間駐機が増えれば、
昨日紹介の補助金も増えます。
日中でさえ非効率な運行本数なのに、時間延長に見合うだけの効果などあるはずがありません。
こうして、ますます、誰も責任を感じることなく、この国の借金は増え続け、次世代の不幸を決定的なものにしていくのです。
冷静に立ち止まって考えてほしいものです。
なお、本事業の予算調書のPDF版はこちら
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/html/20150326.pdfです。