平成28年度静岡県当初予算について |
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平成28年3月21日 |
県の平成28年度当初予算が先週18日に成立した。 県提出の予算案は浜松に計画した新野球場建設に係る部分が民意をくみ取っていないなどとして減額修正され、予算規模は1兆2,409億円となった。 今回の減額は県の突然の予算化発表も一因であり、透明性のない予算編成という県民のコンセンサスをないがしろにした仕組みが混乱に拍車をかけたといえる。 昨年も紹介のとおり、三重県などの情報公開先進県においては予算編成過程の情報だけでなく知事査定の映像まで公開されており、具体的に予算がどのように執行されるのかもわかるようになっている。静岡県の予算の密室査定は戦後民主主義において欠落した参加型民主主義を欠き衰退しつつある欠陥自治体の姿を象徴するものである。 今日は、平成28年度当初予算の全体像を紹介する。 <平成28年度静岡県当初予算案について> まずはじめに、県債残高の推移を見てみよう。 伸びは抑えられたものの、依然として高水準であることがわかる。。 次に予算規模であるが、 ほぼ、前年度並みとなっていることがわかる。 すなわち、平成21年に川勝が知事に就任して1期目は公約の「税金は1円たりとも無駄にしません」もあってか、島田市に建設予定だった大規模産業展示館を白紙にするなど支出を抑え気味だったが、平成25年の再選後から予算は急増し県の借金は膨らんだのである。 この間、県の施策によって県民生活は豊かになったのだろうか? ほとんどの方はノーというのではないだろうか。 実際県内経済は、全国に比べ回復が遅れ、人口流出も止まらない状況である。 それにもかかわらず、空港とその利用者などには惜しげなく税金を投入、こともあろうか受益者が当然に負担すべきアクセス費用まで税金で補填。 さらにここにきて、維持管理費を増すだけの空港ビルの増築や、デザインにこだわり割高になった富士山世界遺産センター建設や今回問題になった浜松の県営野球場建設、新幹線新駅建設の構想など、見違えるような「ハコモノ知事」への変貌ぶりである。権力者が腐敗していく様が顕著に現われている。 もう一度自身の初心である次の公約を思い出してもらいたいものである。 「ハコモノ建設計画は白紙とし、1年以内に必要性をゼロベースで見直します。そのために、県民目線でハコモノの費用対効果をチェックします。」 |
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