県政オンブズマン静岡 〜静岡県庁の光と闇〜

5 航空物流推進事業費


平成27年3月31日(火)

本日は、以下に平成27年度予算の「航空物流推進事業費」を紹介します。



この予算は、
1 航空物流の推進による空港の利活用促進
2 航空物流の推進による県内経済・産業の振興
を目的として、県、鈴与などの物流企業、荷主などで航空物流を盛り上げようと設立した「富士山静岡空港航空貨物利用促進協議会」を迂回しての物流補助金が650万円、会の活動費が296万4千円、その他、空港内の貨物上屋の賃料補助金が613万6千円など、計1,560万円となる事業です。

県は、マスコミを使い航空貨物が好調であるかのように宣伝しています。
そして、平成26年度では800トンの取扱実績が見込まれ、平成27年度は100トンアップの900トンを目標としています。

しかし、県は、開港前に航空貨物輸送量についても試算し、専門家の検証を受けています。(資料:検証静岡空港専門家委員会(2航空貨物空港化)
その貨物取扱量は85,500トン〜112,000トン
実績との乖離は甚だしく、予測の100分の1以下という散々な現実です。
「それぞれの項目について、その課程も含めあらゆるデータ・資料を厳正かつ慎重に審査してきた」「航空貨物拠点となる可能性を有している」などと言った専門家らは、いまなお何の責任もとることなく専門家面して振る舞っています。
いつから、このような恥知らずが大手を振って歩く国になってしまったのでしょう。

県はこの事業の必要性について、以下のとおり説明しています。

要するに、補助金をやめたら荷主の負担が増えて貨物量が減るから補助を続けるというむちゃくちゃな必要性論です。
とはいえ、空港自体も同じです。
どっぷり漬かった補助金付けをやめたら路線が撤退して空港が存続できなくなるから補助を続ける、これが現実です。
無駄を切る選択と集中の決断ができない行政の下では明るい未来はないでしょう。


なお、本事業の予算調書のPDF版はこちらhttp://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/html/20150331.pdfです。