就航を依頼する県幹部と国外のS航空幹部との面談場面(なお、この会話は税金の流れを分かりやすくするためのフィクションです) 県幹部「是非就航をお願いしたいのですが」 S航空幹部「普通に就航したら赤字になるのは明らかですので」 県幹部「できるだけの支援はしますので試しにどうでしょう」 S航空幹部「では条件についておきかせください」 S航空幹部「ターミナルビルの家賃はおいくらですか」 県幹部「坪単価で約2万円です」 S航空幹部「ずいぶん高いですね。県が富士山静岡空港株式会社に貸している坪単価の4倍近くないですか」 県幹部「安心してください。貴社の負担はほとんどありませんので」 S航空幹部「どういう意味ですか」 県幹部「今言った単価は貴社の専用部分の賃料です。これについては貴社は県から直接借りるのではなく、ターミナルビルを管理委託している富士山静岡空港株式会社に賃料を払ってもらいます。もちろん、県が所有するビルですので賃料名目では管理会社は受け取れませんので、その名目は利用料として。その上で、県から貴社にその賃料相当の半額を補助金としてお返ししますので。」 S航空幹部「半額としても高いですよね」 県幹部「いえいえ、話はこれからです。専用部分については半額ご負担していただきますが、それ以外の共用部分の利用料については全額補助金で補填します。ご存じとは思いますが、共用部分の利用料は専用部分の賃料の何十倍にもなるものですが、これを全部補填しますので。」 S航空幹部「つまり、県からほとんど無償でターミナルビルを利用させてもらえるということですね」 S航空幹部「でも、なぜわざわざそんな回りくどいことを?県が我が社に直接無償で貸してくださればいいのでは?」 県幹部「実は利用料というのは県の収入にはならず、管理会社の収入になるので。」 S航空幹部「どういうことですか?県に賃料が入らないということは、補助金相当額も県に戻ってこないで、大損じゃないですか」 県幹部「そのとおりです。実は、富士山静岡空港株式会社に直接補助するわけにはいきませんので貴社を迂回して同社にお金を流したいのです」 S航空幹部「なるほど、利益供与ですか。それでわざわざ坪単価を高く設定しているわけですね。共用部分の利用料も相当高く設定してるんでしょう。」 県幹部「まあそれは管理会社が決めることですから」 S航空幹部「もし管理会社が利用料を上げたら補助金も増やしてくれるんですよね」 県幹部「もちろんです。貴社に損はさせません。さらに貴社には富士山静岡空港利用促進協議会という組織を迂回させた別の補助金も用意していますので。貴社も施設をただ同然で利用でき、管理会社も儲かり、ウィンウィンです。」 S航空幹部「つまり、損するのは税金という形であなた方に資金を預けている県民だけってことなんですね。」 県幹部「県民やその代表の議員も沈黙しているわけですから、同意しているようなもので、なんの問題もありません」 (注:以上の会話は税金の流れを分かりやすくするためのフィクションです。実際に交わされたもの ではありません。) |